オタクがハーフマラソンに挑戦した話

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16㎞地点。


長かったハーフマラソンも残すところ5㎞になった。

少し脚が重くなってきたが時計を確認すると目標ペースより2分の余裕をもって残り5㎞を迎えられた。


「あぁ……キツかったけど、このくらい余裕があれば目標は達成できるだろうな」

僕は勝ちを確信した。


そもそもなんでハーフマラソンを走ることになったのか。

話は2ヶ月前に遡る……


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1月3日のこと。

友達からこんな話があった。

「新年だし、なんかに挑戦してみようぜ!ハーフマラソン出よう!!」

僕は過去に一度ハーフマラソンに出たことがあるので

「新年らしくていいね!やろう!」

と了承した。

まあ軽いノリというやつだ。

それに前に走ったことあるし、いけるっしょという甘い考えもあった。


久しぶりに練習を再開して自分が全然走れなくなってることを思い知った。

それでも「今日は寒いから〜」「今日はやる気が出ないから〜」などと言い訳をして練習をサボることが多かった。


結局、僕はあんまり走り込まずに本番の日を迎えた。


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異変が起きたのは17㎞地点の手前あたりからだった。

急に脚が動かなくなった。

前の人の背中が小さくなっていく。

後ろからドンドン追い抜かれる。


あと4㎞なのに。

それでも一歩ずつ必死に走り続ける。

自分が練習を積んでこなかったことの後悔を感じながら。


残り3㎞。

僕はマラソンのタブーを犯してしまった。

そう、途中で歩くというタブーを。

その瞬間に本当の意味での完走は潰えた。

一般的にはゴールテープを切れさえすれば

「はい!完走です!おめでとう!」

という言い方をするだろう。


だけど、僕の中でのマラソンの完走とは最後まで走り続けることを意味する。


一度諦めてしまった人間はもうダメだ。

少し歩いてまた走り出しても100mくらいすると歩いてしまう。

最低最悪の時間だった。


残り2㎞。

時計を見ると、目標タイムまで1分くらいの負債ができていた。

そこから追い上げるだけの気力も体力も残っていなかった。

気付けば周りにいるのは歩いてる人間ばかり。


ラソンの途中で歩くような鍛錬が足りてない人間の集団だった。

悔しい悔しい本当に悔しい。


残り1㎞。

もう時計を見るのをやめた。

今更見ても何の意味があるだろうか。いや、ない。

歩いたり走ったりを数十mごとに繰り返す僕はあまりにも哀れだった。


ラスト100m。

ゴールラインが見えた。

最後の気力で走ったが全くスピードは出ない。

ぬかるんだ泥沼の上を走っているかのようだった。


ゴールして時計を見ると、目標タイムから

5分も遅かった。

結局、僕は最後の5㎞で7分もロスをした。


下の写真がスマホのアプリで管理してた

各地点でのラップタイム。

一番左は㎞。真ん中はタイム。一番右は地面の高低差。

例えば15は14〜15㎞の1㎞区間のタイムを表している。


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高低差もなく走りやすいコースだった。

それなのに16〜18㎞でペースが怪しくなり始めて

ラスト3㎞からは全てが崩壊した。

(ちなみに普通に走れば1㎞あたり5分10秒くらい)


ゴール直後は頭が空っぽで倒れてたけど、しばらくしてから悔しい気持ちと無力感がものすごい勢いで襲ってきた。


今は2度とマラソンをやりたくない気持ちと、リベンジしたい気持ちが共存している。


自分と向き合って考えようと思う。




以上、ハーフマラソンに挑戦して散った話でした。

ここまで読んでくださって本当にありがとうございました。