そうだ、山に行こう〜塔ノ岳バカ尾根へ〜

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11月3日、文化の日。祝日である。

こんな感じにダラダラしていたい気持ちもあったが、それではあまりにも勿体ない。

「そうだ、山に行こう」

11月2日、23時に決意した。


ちなみに僕はほとんど登山をやらない。

年に一回くらい、低山に登るレベルだ。


まずはどの山に行くかを考えないとな、と思い、関東近郊の山を調べてみたら面白そうな山を見つけた。


「……バカ尾根!?!?」

バカ尾根というあまりにも強烈なインパクトのワードに惹かれてしまった。

ここに決定。少々キツいというワードが引っかかったが、バカ尾根への好奇心には勝てなかった。

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「多少キツくても、まあ、体力あるから大丈夫でしょww」

完全に舐めていた。バカは尾根じゃなくて僕。

そして、朝6時に起き、家を出て、眠い目をこすりながら電車に揺られること1時間半ほど……


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着 き ま し た !!!

バカ尾根が呼んでいる!!!

僕は山に早足で向かった。

バカ尾根の登り標準タイムは3時間くらいという情報を得られたので、せっかくならそれよりどのくらい早く登れるか試してみることにした。


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車が通る道がここで終わり、本格的な山道へと変わる。

塔ノ岳まで6.4㎞


ーー鍛錬が始まった。


天気も良く、歩きやすかったため、山を軽快に登っていく。

それなりに飛ばしていた僕の様子を見て

途中で何十人かの方に道を譲ってくれた。

何度も「すみません」と「ありがとうございます」を言った気がする。

山登りする方は心優しい方が多い。

本当にありがとうございました。


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しばらく登っていると、バカ尾根の紹介サイトに載っていた線路道を見つけた!

これには思わずテンションが爆上がり!!

僕が、山の新幹線だと言わんばかりに駆け抜けた。



そして、登り続けること1時間ちょっとすると、こんな看板が

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塔ノ岳まで2.8㎞!?

もうそれしかないの!?


「3時間なんてかからないじゃんww2時間も切れそうだな余裕余裕🎵」

調子に乗ってペースを上げて登っていく。

この間にも数十人の登山客に道を譲って頂きました。

誰にも抜かれることなく軽快に登っていく僕。極めて順調だった。



しかし、登山はそんなに甘くなかった……


突然、右足のふくらはぎに攣ったような痛みが一瞬走った。

その直後、左足のふくらはぎにも攣ったような痛みが走った。

両足のふくらはぎが悲鳴を上げ始めていた。


仕方ないので、ペースを落とした。

足を攣って、歩けなくなったり、山から落ちたりする最悪の事態を避けるために。


ふくらはぎを庇いながらペースを落として、厳しい坂道や階段を登っていく。

やっと目的地までの距離を示す看板が見つかった。


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あと1.8㎞……

足に違和感がなければ大したことがない距離だけど、今はその1.8㎞が遥か遠くに感じられた。


ふくらはぎを庇いながら登っていくと、当然その分他の部分に負担がかかる。

今度は太ももの前面に攣ったような痛みが走った。

慌ててストレッチをしたが、治っても数歩歩くとまた激痛が走る。

太ももを庇うとふくらはぎや膝が痛む。


もう普通に歩くことができなくなっていた。


他の登山客が後ろから来たので道を譲りまくった。おじいさんにもおばあさんにもどんどん追い抜かれる。情けない。


最後の力を振り絞って頂上近くの山小屋に到着した。

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この変哲のない山小屋が光り輝いて見えた。

やっとゴールだ!

達成感がジワリと湧いてくる。


しかし、これは罠だった。


てっきりもうすぐ頂上だと思ったぼくは、山小屋の近くにある看板を見て地獄へと叩き落とされた。


「塔ノ岳まであと0.8㎞」


終わった。無理だ。

ショックすぎてその看板の写真を撮り損ねた。


一歩歩くだけで足が攣った時と同じくらいの痛みが両足に走る。

山小屋でたくさん休んでのんびり行こうかとも考えた。


だけど、始めにぼくはタイムを狙っていくと決めた。

残り0.8㎞まで来た時点で登山開始から1時間50分ほどが経過していた。

もう2時間以内では登れないだろう。


だけど、12時までには山頂に着きたい……(この時、11時半)



地獄が、始まった。

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ちなみに山頂まであと少しの地点では、霧が立ち込めていて、山も地獄のような雰囲気を醸し出していた。  


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残りの800mは酷いものだった。

太ももが常に攣っているような状態で歩き続けるのは、今まで経験がなかった。 

歯を食いしばりながら登った。

たくさんの人に追い抜かれた。

酷い顔をしていたと思う。


「攣っていても歩ける。攣っていても歩ける。攣っていても歩ける」笑いながらブツブツと呟きながら登った。

人間は痛過ぎると笑うようにできている。

笑うことで痛みを軽減させるための防衛本能なのかもしれない。


限界はとっくに超えていた。

そして、遂に……


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山頂!!!!!!

11時58分着!!!!!


執念で12時までに頂上に着いた。

登りのタイムは2時間半くらいで、3時間というタイムは切れたけど後半にペースが落ち過ぎたので悔しい……


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苦労して登った地上1491mの景色は格別だった!

まあ、しばらく動けなくて山頂で死んだように座っていたので、景色はあんまり見れなかったんだけど……っていうのはここだけの話。


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山頂でしばらくぶっ倒れた後、山小屋でカップラーメンを食べた。

温かいものが食べられてありがてぇ……


しかもカップラーメンは水分とカリウムとナトリウムを補給できる。

この3つを補給すれば多少は足の攣りを抑えることができるので、普段は飲まないスープまで全部飲んだ。

全ては下山のために……!



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カップラーメンの効果もあったのか、下山中は足が攣ることはなかった。

しかし、下山中にも事件が起きた。

砂利の下り道で盛大に滑り落ちて「ウワーーーーー!!」と声が出てしまった。

死ぬほど恥ずかしい。


すると、近くにいた山登り慣れしてそうなおばちゃんが

「大丈夫?砂利道を下るときはね、真っ直ぐじゃなくてジグザグに降りていくと安全だよ」と教えてくれた。

本当に感謝。山登りをする方は優しい。(2回目)

おばちゃんから教わったやり方でスイスイと下山していく。


下山中にあった山小屋で気になるものを見つけた。


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牛乳プリンだーーー!!!


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即買い。疲れた体に沁みた。


牛乳プリンで元気をもらい、下り続けた。


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……下山、完了!!


下山は疲れでペース上がらなかったけど、2時間弱だったから登りよりも相当早かった。


もう汗だくで身体はボロボロになっていた。

そんな僕を優しく迎えてくれる場所がある。

それは……

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そう!!サウナだ!!

塔ノ岳の最寄駅近くにある湯花楽さん。

疲れた身体に風呂とサウナは最高でした。



今日は突然の登山だったけど、実は1000m以上の山を登ったのは初めてで、めちゃくちゃキツかった……


バカ尾根はバカみたいにキツかったけど、道はきちんと整備されてて安全だったし、山登りをしている方は優しい方が多いので、登山初心者は是非チャレンジしてみてください!!


足の限界を迎えるまで鍛錬した先に得られる達成感を手に入れましょう!!