【正義とは何か】日本昔話桃太郎〜鬼side〜

昔々、あるところに鬼ヶ島という鬼が暮らす島がありました。


鬼たちはその島でずっとひっそりと暮らしていましたが、鬼たちの数が増えてくるにつれて、食料が足りなくなっていきました。


やむを得ず、鬼たちは島から外に出て食糧を調達するようになりました。


鬼たちは技術が足りなくて作物の栽培ができなかったので、人間の畑を見て感動しました。

「この技術があれば我々も繁栄することは間違いない!」そう思い、人間に作物の栽培方法を聞こうと近づくと、人間は怯えて、鬼の話も聞かず逃げて行きました。


話し合いができず、人間も逃げていなくなってしまったので

鬼は家族のために畑から作物を盗みました。

本当はこんなことしたくはなかったけど、自分の家族を守るためでした。

「本当にごめんなさい。盗んでごめんなさい。」

鬼は心の中でそう謝り、作物を家族のために持ち帰りました。


ある日、血まみれになって死にかけの鬼が、鬼ヶ島にヨロヨロと帰ってきてみんなに言いました。

「みんな!逃げろ!人間と動物が攻めてきた!」


まもなくすると、刀を持った人間と、犬と猿とキジが鬼ヶ島にやってきました。


「人間を怯えさせて作物を盗む鬼ども!!正義のヒーロー、桃太郎軍団がお前らを倒す!!行け〜!家来ども!!」


犬と猿とキジが暴れて鬼を次々に殺していきました。

桃太郎と名乗った人間も刀をふるって鬼を斬って殺していきました。


「待ってください!俺たちは人間を脅したわけじゃなくて!!作物を盗んだのは自分の家族のためで……」


「黙れ悪の鬼ども!!正義は我にあり!!」と桃太郎は言って、鬼たちを斬り続けました。


武器を持たない鬼たちは桃太郎軍団に皆殺しにされてしまいました。


「よーーし!みんなよくやった!鬼たちは全滅だ!島から宝を持ち帰るぞ!これで正義は守られた!」

桃太郎軍団は鬼ヶ島から宝を持って帰っていきました。


そして、桃太郎の行いは「正義」として後世まで語り継がれることになったとさ。

めでたしめでたし。